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建築と都市、そこでの生活にまつわるあれこれ

はだかんぼうにっきについて

昔々、建築はその土地の自然を利用して作られました。

縄文時代には草木を使った竪穴式住居が、時を経て中世のイタリアではその土地でたくさん採掘することができたトラバーチンで現代にも残る数多くの名作建築が、その頃の日本では木を効率的に利用するために生み出された木組みによる名作建築が作られました。

 

建築はその土地の自然と結びついた形をしています。

 

自然と建築が結びついて、人が暮らすことのできる環境が作り出されます。世界各地に個性を持った環境がたくさん作り出され、それぞれの環境に育まれた個性を持った人間達が、それぞれの環境の中で新しい活動を生み出します。

 

つまり、多様な環境が多様な個性を持った人間をつくるのです。

 

ある環境は別の環境に育った人にとっては驚くべきもので、その人の想像力を掻き立てます。例えばモロッコのベルベル人の住居は、映画「スターウォーズ」の舞台として使われる事で、また別の新しい世界を作り、私たちに提示してくれます。多様な環境で育った多様な人間が集まり、または互いにインスパイアされ、さらに新しい環境をつくっていく。そうしてできる未来はダイナミックでわくわくする楽しい未来だ、と私は思います。

 

フラット化する世界の中で、各地で建築の均質化がおこり、その土地に特有な建築の形が失われたり、保護対象物になったりするのを見ると悲しい気持ちになります。そうした建築は守られ、鑑賞され、昔を懐かしむためにあるのではありません。それは人間を生かし育むためにあるはずです。

 

建築は文化そのものです。建築デザインの仕事がグローバル化している今日、各地の建築デザイン現場でどんなことが起こっているのか、建築設計事務所で働くいちデザイナーとして考えてみたい。その上で世界の多様性を損なわないグローバルな建築デザインのあり方があるのかどうか考えてみたい。

 

そう思って、このブログをはじめることにしました。