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建築と都市、そこでの生活にまつわるあれこれ

日本の住宅(1)

日本の住宅を取り巻く環境について考えてみた。

まずは戦中・戦後の住宅大量供給時代

 

 

1、戸建て住宅

 

戦後ハウスメーカーが続々と創立し、大量生産システムを確立したこれらハウスメーカーが住宅建設シェアを拡大していった。

ハウスメーカーのシェアが拡大するにつれ、これらハウスメーカーが自社製品のためにローメンテナンス・ローコストの外壁、屋根、内装材を開発した。これらはこれまで頻繁に必要だった住宅のメンテナンス頻度を著しく減少させるように宣伝されたため、地場の工務店や大工さんにも普及し、住宅に使用される一般材料となった。

結果、それまで使われていた地場の建材(木材や土、石、和紙など)は使われなくなり、大量生産された工業製品で覆われた似たような住宅が全国で建てられ、均質な町並みが作り出されていった。

 

当時これら大量生産住宅は長期的に財産になりうると宣伝されたが、(例えば昔は三世代、100年住宅ローンなどというものがあった。)ふたを開けてみれば平均30年程度で取り壊されているという。

 

 

2、集合住宅

 

一方で、住宅メーカーが創立されたのと同じ頃、住宅の大量供給を主眼として集合住宅の開発も進んでいた。戦後には食寝分離に応えた2DKを擁した集合住宅が当時最先端の住居形式として話題になる。

しかし、その後の経済成長やライフスタイルの変化によって、当時建てられた集合住宅は使い勝手の悪いものとなり果てている。

例えば

・構成単位であった住戸面積は狭すぎる。(例えば51c型で35m2)

・エレベーターのない5F建集合住宅は敬遠される。(高齢者や幼児、ベビーにはきつい)

・設備は老朽化し不具合が出る。