CITIPEDIA シティぺディア

建築と都市、そこでの生活にまつわるあれこれ

最近ハマったTVドラマ4つ

"Netflix",  "Amazon Prime", "Hulu"と、映像ストリーミング配信会社が日本でぞくぞくサービス開始したので、最近はこれらを見るのにはまってます。

(Huluは2年くらい前から加入していたのだけれど。)

 

よく見るのは映画よりもTVドラマ。

 

特に英語圏で製作された歴史物とビジネスものをよく見てます。自分が生きている環境とは異なる社会のあり方を描いたドラマが好きなんです。

映画がひとつのストーリーを展開していくのに対して、TVドラマはある舞台設定の中で様々なエピソードが展開されていくので、映画よりもTVドラマの方が舞台に設定された場所・時代の社会のあり方を描くのに適している気がします。

 

ではでは、以下に4つ紹介します。

 

 

1、Vikings

www.history.com

 

8世紀のスカンジナビアを舞台に、ヴァイキングの生態を描いたドラマ、"Vikings"。

アイルランドとカナダの共同製作。

Amazon primeで1st seasonが見れます。

 

ヴァイキング vs クリスチャン(イングランド)。

ヴァイキング社会(政治、宗教、家族形態、集落の様子など)が、当時の衣服・食事・住まいなどが詳細に表現されて描き出されます。ヴァイキングという民族を知るにはもってこいのドラマ。

 

特に、キリスト教の価値観(一神教、終末思想)とヴァイキングの価値観(多神教、ヴァルハラ、生け贄)が交錯しあうのがおもしろい。

このドラマや、"ローマ人の物語"のような本を読んでいると、キリスト教みたいな一神教はなにか人間の営みとして不自然な感じがしてしまうんですが、それは私が未開の民だからでしょうかね。

 

”VINLAND SAGA” 幸村誠著 を合わせて読むのがおすすめ。

こちらも10世紀のヴァイキングの様子が丁寧な絵で描かれた、とてもおもしろい漫画です。

 

 

 

2、Downton Abby

www.pbs.org

第一次世界大戦を挟んで激変する社会の中で、伝統を重んじる英国貴族とその使用人が時代に翻弄される姿を描く英国ドラマ、"Downton Abby"。

Huluで3rd seasonまで見れます。

 

激変する社会の中で必死に己の幸せを求めて生きる姿は、同じく激変する現代社会に生きる私達の姿と重なります。

 

第一次世界大戦後の激動する社会の様子は本で読んできましたが(経済史や社会学の本など)、マクロな変化がミクロな変化、すなわちその時代を生きる人々の生活の変化にどうつながっているのかは本ではなかなか把握することが難しいものです。

 

このドラマではDownton Abbyと呼ばれるお屋敷に住む貴族とその使用人達の生活を描くことによって、時代の変化に翻弄される人々の生活を生き生きと描いています。

まさに真理は細部に宿る。

このドラマとそれまでに読んだ本の知識が重なりあって、私の中で当時の時代の変化(グローバリゼーション、経済体制の変化、貴族の没落と新興階級の台頭、などなど)が立体的に浮かび上がってきました。

 

世界の変化はいつだって不可逆。

変化の兆しを感じたら、その波に思い切って乗っていくしかないのです。

 

 

 

3、SUITS

www.usanetwork.com

 

アメリカ、ニューヨークの法律事務所で繰り広げられる、ビジネスと人間関係のドラマ。

Huluで3rd seasonまで見られます。

 

最初、スタイリッシュな服とインテリアのデザインに惹かれて見始めたのですが、見ているとニューヨークのビジネスルールとビジネスの中でインテリアデザインが果たす役割がわかります。

 

ビジネスについては、深夜におよぶ労働時間・会社内でのヒエラルキーとチーム運営・白人と黒人の間の摩擦・アメリカ人とイギリス人の間の摩擦などが描かれています。

日本の働き方と似ていたり、異なったり。

最近、働き方についての言説がネットや本にあふれていますが、同じ現象を説明していても、文章で読むのと、映像で見るとでは印象が違います。

 

インテリアデザインについては、舞台となる法律事務所が、ガラス張りのアトリウム・バカ高い天井・石、メタル、皮を基調にしたデザインで、アメリカではこうした空間が誠実・威厳をイメージさせるんだなあと納得しました。

写真で見るよりも、あるストーリーの中で人が利用している様子を映像で見るほうが、そのインテリアデザインがどのような役割を果たしているのかがわかりやすいです。例えばパートナーミーティングの場所となる会議室での机とイスの配置だったり、パートナーの個室にある家具の使われ方だったり。

 

ビジネスの現場にインテリアデザインがどう作用しているかの勉強になります。

 

 

 

4、HOUSE OF CARDS

houseofcards.tumblr.com

 

製作総指揮:デヴィット・フィンチャー、ケビンス・ペーシーで描く、アメリカ政治の権力闘争を描いたドラマ。

Huluで1st seasonが、Amazonで2nd seasonが見られます。

 

アメリカと中国、女性の社会的役割、黒人と白人、政治とジャーナリズム、権力と情報(操作)。"SUITS"がマンハッタンを舞台に20代〜40代のビジネスマンの生活を描いているのに対して、こちらはホワイトハウスを舞台に40代〜60代の政治家達の生活を描いています。

 

特に、ドラマの中で描かれている、グローバリゼーションが進む中でのアメリカの政治戦略(中国が台頭する世界の中での自国の立ち位置、国内の教育・産業政策、などなど)と、メディアを使った政治の駆け引きが面白いです。

アメリカではジャーナリズムは国民に対して政治の情報を提供する手段であるのと同時に、政治家にとってはホワイトハウス内部での権力闘争の武器として利用されるものでもある。ある情報が国民に暴かれることで失脚する政治家と、権力の階段を上る政治家がいる。

メディアが政治家同士の戦いの武器として使われることで、国民に対しては政治の透明性が高まるという。

 

それから、このドラマの中ではいろいろな女性の生き様が描かれていてそれも面白いです。政治家の妻であり、NGO団体を主催するクレア、ジャーナリストのゾーイ、政治家のキャサリン、などなど。

女性が妊娠・出産、キャリア、恋愛・結婚生活に悩む姿は日本でもアメリカでも変わらないんだなあ。

 

 

また、おもしろいTVドラマがあったら紹介しますね。