日本の住宅(2)
続いて
ストックとしての住宅研究時代
日本の住宅(1)で書いたような住宅が都市を形作りはじめると、その構造的・設備的・デザイン的な貧しさが問題になりはじめる。
そこで住宅建設業界はさまざまな実験をはじめた。
1、スケルトン・インフィル
スケルトン(躯体)のままの住宅を貸し出し、入居者が独自にインフィル(内装)を作って住むという提案。
店舗やオフィスなんかはずっとこの方式だけど住宅ではなかなかなかったんだよね。
けど、入居者にはめんどくさく、ディベロッパー的には金銭的なうまみがなかったらしい。結局このシステムは純粋なまま発展せず、分譲マンションの売り出し方の一形態として取り入れられていった。
・設計変更可能分譲マンション:
ディベロッパーは標準仕様を決めておき、変更に際して追加料金を徴収できるので、うまみがある。
・分譲マンションのリノベーション:
特に古いマンションや住宅を一度躯体に戻して内装をつくる。住民は中古マンションを安く買えて、内装を新しく自分の思い通りにつくれるのでうまみがある。
出来上がった分譲マンションを買うのではなく、はじめに入居者が組合を結成し、その入居者全員で設計者を手配し、建物の設計を承認し、工事業者に発注するという方式。
住民が一貫して建設に携わることで質の良い建物ができるんですよ、というものだ。
プロセスを書いているだけでめちゃめんどくさそうだけど、実際にはプロデュース会社が組合のマネージャーとなって事業を遂行するケースが多いみたい。
けど、やっぱりめんどくさそうだよね。。なので、日本ではあまりシェアは伸びていない。
こんなかんじで、いろいろ試みるもどの実験も当初の目論みどおりにいっているわけではないようだ。