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建築と都市、そこでの生活にまつわるあれこれ

建築

百貨店の終わり

東京都内の再開発によって、最近大規模な商業施設が続々とオープンしています。 東急プラザ銀座、銀座SIX、東京ミッドタウン日比谷など。この後も、三越日本橋のリニューアルや日本橋高島屋のオープンが控えています。 ビルの構成ですが、概して、テナントと…

”みんな”のための建築の危うさ(1)

日本の公共建築の設計業務はプロポーザルという形式で提案書を建築設計事務所各社から募り、その中からもっとも主催者の目的にかなったものが選ばれるという手順を踏みます。 一般的に、日本の民間のオフィスや商業施設を計画するの場合、クライアントがまと…

現代建築を「作家性」で捉えるのは間違ってる。

現代に建築を作るとき、個人の作家性うんぬんというのはおかしい。建築家が個人の感性で仕事ができた時代はとっくの昔に終わっている。 時代を遡って考えてみよう。建築家が個人の感性で建築を建てていた時代。 例えば村野藤吾や吉田五十八。 彼らは茶室や高…

コンサルタントとしての建築デザイン

中国や他の新興国で依頼される仕事というのは、ゼロベースのものが多い。 ゼロベースというのは、真っさらな土地にホテルと商業施設とコンベンショナルセンターを計画したいんだけど、とりあえず絵を描いてみて。」という依頼のこと。 規模も決まっていない…

ハワイの生きる空間

ハワイに行ってきた。 小さな子を連れての旅行だから、飛行時間が長すぎないこと、ホテル近くで楽しめることと、ぼーっとできる自然豊かな場所、で選んだらハワイになった。 で、行ってみたら大正解。さすが先輩パパママがこぞって進める場所だ。 子供だけじ…

歴史的建造物に対する態度ー日本人の場合。

最近、丹下さんや、黒川さんがデザインした日本の近代建築の多くが取り壊されかかっているよね。 日本は欧州に比べると、歴史的建造物が結構簡単に壊されてしまったり、壊されていなくてもうまく活用されていなかったりする印象があるのだけれど、それが何故…

40代で若手ってなんなの、のつづき。新しいチームワークを考えてみる。

前回の続き。 ちなみに前回あげた建築家という職能に求められる技能の(1)〜(14)は建築設計事務所が成長する過程で順番に身につけていく。 <第一期>住宅をつくっている時期: 個人に対しての建築は(1)〜(6)までの技能があればなんとかなる。 …

40代で若手ってなんなの

建築家は40代のおじさんおばさんでも若手と呼ばれる。 実際のところ、そう思う。 建築家が運営する設計事務所の成長過程を段階的にみていくと(これまでのところ昔から変わらず)以下のような感じだ。 まずは知り合いの小さな住宅をつくり(第一期)、その…

建築を大量生産すること

いままでは、地域固有のマテリアルの扱いや施工方法、習慣に精通した地元の建築家がその土地の建築をつくってきた。 けれど、様々なマテリアルの強度が分析されるようになり、施工方法が世界でゆるく一般化され、各国の習慣が情報として流通するようになった…

建築デザインの世界戦略(1)ーレム・コールハースの場合

コールハースの世界戦略のキモは建築デザインをダイアグラムから組み上げることと、プロジェクトに対するブックレットを建築と同時にまとめることです。 彼らはクライアントから与えられた要求に対して、2つの手段で応えます。 (1)、ダイアグラムによっ…

CGパースから考える

以前中国の物件を担当していたときに、中国人のクライアントから「あなたたちが出してくるイメージパースは良くないので、中国の会社にイメージパースをつくらせたほうがよい。」とアドバイスされたことがありました。 中国のCG会社のHPなどに掲載されている…

アジアで日本人が建築デザインをするということ

昨今のアジアの建築市場の活況はみんなの知るところです。アジア各地で仕事をしている建築事務所のみなさんも多いのではないでしょうか。 このようにアジアに世界から資本が投下され建設熱が高まっている現在、日本人の建築デザイナーの役割はとても大きくな…

フラット化する日本の建築階級、「漂うモダニズム」

槙文彦さんの「漂うモダニズム」を読みました。 漂うモダニズム 作者: 槇文彦 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2013/03/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「あー、そうそう、そうだよねー。」と共感する部分がたくさんありました。 …

新興国での建築デザイン、3つのアプローチ

今回は中国、ドバイ、インドネシアなどの経済成長が著しい新興国で、外国人が建築デザインの仕事をすることについて考えてみたいと思います。 われわれ日本人もこうした新興国での仕事のオファーをたびたび受ける訳ですが、1回プレゼンしただけで音沙汰なか…

フラット化する世界と多様化する建築家の職能

建築家が国境を越えて建築をつくるのが当たり前になるにつれて、その職能はますます多様になりつつあるように思います。 ざっと思いつくのは以下の5種類。 (1)国あるいは都市のキャラを発見する (2)アイコニックな建築をつくることで、国あるいは都市…

日本の建築空間を売り出そう!(3)

日本建築が持つ独特の”雰囲気”を売りたいのに、日本以外では作れないというジレンマ というお題について前回は、 ・日本の建築空間を(物質/使用両面で)ユニバーサルな素材で表現して売る。 と解いてみました。 今回は、別の解法を考えます。 実際このジレ…

日本の建築空間を売り出そう!(2)

日本の建築空間を売り出したいのに海外でこれを作ろうとすると施工技術の違いから、この独特の空間がつくれない問題について考えます。 この問題って、解決策がいくつかありますよね。 例えば、そもそもこんな問題に直面しないように日本の建築空間を売り出…

日本の建築空間を売り出そう!(1)

よく言われることですが、日本の建築物の施工精度はすばらしい。 日本では、建築設計事務所が書いた設計図にメーカーの設計士さん、現場の職人さん達の知恵が加わって、細部まで気が配られた質の高い建築物ができあがります。 そんな私たち日本の設計事務所…